2009年7月3日金曜日

「きれいごとだけどさ・・・」

昨日の夜に新宿の地球探検隊で行われた
「アラスカ極北〜」の上映会が無事終了しました、と
探検隊スタッフのbetty涼子から連絡。

定員20名のところ、30名の参加者だったらしい。

早速送られてきた本&DVDの注文と感想が書かれたFAXを見ながら
自分がいなくても、作品は一人歩きするもの、と思ってしまった。

関東初上映会を行ってくれた地球探検隊には感謝。
betty涼子からメールにはこう書いてあった。



参加者 30名

1週間の告知でこれだけ集まっていただいたのは
嬉しい限りです。

なんか、最近自分がやりたいことは、全然お金にならないんですけど、
それでも、アラスカやユーコンの大地を知ってもらう機会をつくれたり
「お話きいて、ぜひ一緒に旅したくなりました」と言ってもらったり

人はお金だけでなく、いろんなものをいただいて、生きているのだ、と思います。
きれいごとだけどさ・・・



「きれいごとだけどさ・・・」

これだけいろんな価値観がありそうな時代で、
盟友にこんなセリフを吐かせてしまう世界を呪いつつ、
楽しいことは儲からない、逆にお金になることは楽しくないのさ、
と思ってしまった。

すぐお金になる仕事は、たいがい退屈だ。

お金になることは、すでにシステム化されて大事な想像力は奪われている。
お金を基準に考えてゆくと、創造的で面白いことなんかひとつも出来なくなる。

うんぬん・・・

とアラスカの体験をDVDと本にしても
まったく食えていない自分にとって
これも一種のきれいごとなのだけれど。

DVD解説を見てもらった人は書いたから分かると思うけれど、
こんなきれいごとが言えるのも、あとすこしの間、
数年後アラスカの翼が無くなれば、羊蹄山の麓でジャガイモ掘りかもしれない。
(決して農家の婿養子ではありません)

だが自分で考えたきれいごとは、それを努力して守る価値が十分にある。
たとえそれが、相当難しいことでも。


映画翻訳家の戸田奈津子さんは、映画翻訳をするために20年も
他の仕事をしながら、ひたすらポストが空くのを待ち続けたという。
その過程で、どのような御苦労があったかは分からないが、
彼女は自分の中の譲れない「きれいごと」を20年かけて昇華させた
ひとりの女性であることは間違いない。

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