2011年3月14日月曜日

「緊急時の沈黙義務」

大震災という緊急時に、やはりという事例が
自分の周りに起こっている。

善意な気持ちはわかるのだが、
必要以上に友人レベルの安否確認する仲間たち。

遠方の地から仲間の安否を気遣う気持ちはわかるのだが、
その安否を確認されている友人は、あなたよりもっと大事な
連絡先と連絡をしたいのに、回線が混乱してそれが出来ていない。

以下に被災した友人からの、切なるメールを載せておく。

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仙台の仲間たちの安否も気になりますが、サーバーパンクがしまくりで、日中はとくに、携帯はほぼ100%役に立たず、変なチェーンメールが横行しまくりで、ホント興味本位な遠方からのメールが憎いです。矢本や石巻の仲間には全く連絡が取れない状況ですが、考えれば涙が止まらなくなるのでなるべく考えないようにするしかないです。
知り合いで、車もやられ、家もやられ、今日も凍える人達もいます。とにかく救援物資、、ホッカイロ、毛布、飲み水や食べ物の確保が急がれます。
避難所などで、みんなで力を合わせたくても、明日を生きていられるのか解らない状況、全く希望の光りがない状況なので、苛立ちが隠せなくなって来ています。とにかく炊き出しが全くありません。足りていません。スーパーコンビニもしめたままの所が多く、たまに開けてくれる所があっても、2時間3時間待ちの長蛇の列で疲労が激しいです。アメリカや隣国からの支援が早く始まって欲しいと祈るばかりです。

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戦闘機に乗っていたころ、緊急事態が発生すると
それまでひっきりなしに
戦闘に関する音声が鳴っていた無線音声が一斉に、

「シーン・・・・」

と静まりかえったのを思い出す。

緊急事態には厳格な「無線の有線順位」が設定され、
当事者と統制者以外は、話す優先順位はきわめて低い。

ありていに言えば、
「しゃべってもどうにもならない人間」は話す権利すらない。


これは組織的な緊急事態の対処訓練において
最初に教育を受ける重要項目なのだが、
いまや、メールはもちろん、ツイッターでさえも
現地の被災者や救助活動をしている方々の重要な通信手段であることは
明白であるだけに、
「善意でやっている大迷惑な行為」は
厳に謹んでもらいたいと思う。


これから10万人規模の自衛官が、現地に投入される。
10万人と言えば、航空自衛隊の定員の2倍以上である。
通信の確保は、もちろん無線が主だが、
被災者と同じく隊員も携帯電話は持っている。
非常時の重要な通信手段だ。

現地の活動をスムースにやってもらえるためにも、
「善意の沈黙」をお願いしたい。

もと自衛官として言えることはこれぐらいだが・・
くれぐれもこの内容は、コピペして回さないように。