2008年8月30日土曜日

ブルックスへ(1)

フェアバンクス→スティーブンビレッジ→ベネタイ
→ベテルス→アナクトブックパス
→アンブラー→シャグナック→フェアバンクス

とブルックス周辺の村に飛んできました。


ちょいと時間が限られているので写真で説明します。


紅葉と秋の匂い、ブルックス






紅葉の輪切り


ブルックス山脈にある
雲に隠れる天上の村、アナクトブックパス
少々強引に着陸しました


着陸後、くつろぐ相棒とハスキー
アナクトブックパスを象徴する山が向こうに見える


次第に晴れてきた、
村の外れにある丘を散歩しよう




開いた足の向こうに広がるウソのような景色



相棒のKajiは、のんびり



世界と人生は素晴らしい

2008年8月29日金曜日

ブルックス飛行開始

ブルックス山脈付近へ飛行旅、開始しました。

紅葉がすごい。

(まだまだ、すごい映像と写真はあるのですが、それはフェアバンクスに戻った後に紹介します)

これからアナクトビックパス周辺を
カリブー探し&紅葉撮影します。


秋深い、北極圏。

じっくりと見てきます。


それでは、また。

2008年8月23日土曜日

オーロラ撮影記

最近、昼は飛行、夜はオーロラ撮ってます

眠い・・・

大好きなお酒を自粛しつつ活動しています。

でもなかなか出てこないので
寒い中(フェアバンクスの夜は本当に寒い、ダウンジャケット必須!)
待ちぼうけの日も多いのですが。
やっぱりオーロラ見るなら
オーロラロッジ経営している友人のMokさん宅が一番だなぁと思いつつ。

以下は、フェアバンクス郊外の山から撮ったものです。
(写っている人は、案内してくれた友人)







これは、夕陽。
トウヒにかかる一筋の光が綺麗。


オーロラ見ながら
「神様とか、そういうこと信じちゃうよね。こんなの見せられたら」

って普通に言えちゃう雰囲気。

撮影している私は、それこそ必死ですが。
空撮オーロラ向けて、地上で着々と撮影してゆきます。

2008年8月21日木曜日

シシュマレフ

前回の日記が、北米大陸最西端のWalesで
それからしばらく日が経ちました。
こんな感じで、野営や村の小学校に泊めてもらいつつ



その後、さらに10ほどの村を回り、
15日に無事フェアバンクスに帰還、9日間の飛行旅はひとまず無事終了し
フェアバンクスの友人(というと恐れ多い方の家なのですが)で
休養&次の旅の準備をさせてもらっています。

今回一緒に旅をした映像作家のKAJI RYO氏と
持ち帰った映像などをチェックしすると、
シシュマレフの海岸線を超低空で空撮した映像が圧倒的で、
ふたりでアラスカンアンバーという名のビールを飲みながら
おもわず感嘆の声を上げてしまいました。

確かに海岸線は浸食激しく
すでに倒壊している家屋が確認できるし、
浸食を防ぐ消波ブロックが浸食の激しい海岸線に積まれています(写真参照)


ビデオでは、スローモーションで海岸線を空撮したので
それがよりドラマティックに展開され、NHKなどで放送してもらうと
凄いだろうなぁと二人で話していました。(それがどのような使われ方であったとしても視聴者には驚きになるんじゃないかと)


マスコミなどで温暖化の象徴として取り上げられている村、シシュマレフ。
なんでも自分の目で見なきゃ納得できない自分は、
あの村を上空と地上から見て、いろんな意味で納得しまいました。


ニュートラルな立ち位置で
空の視点から事実だけ言うと

1.あの村は砂嘴の上に立つ村。

2.村の通りを歩くと地面は砂で歩きにくい。

3.もっとも変化の激しい場所に村が作られており
それは浸食というか、変化するのが前提のような地形であることが一目瞭然。

4.内陸部にラグーン(海の一部が砂嘴によって外海と遮断された湖沼)、
外は外洋ベーリング海で、自給自足を前提にした食料調達では最高の環境というのがよく分かります。


なにかこの状況を見てうんぬんかんぬん・・・言うよりもまず、
最初にあの場所に村を作った人と話がしてみたくなりました。


お世話になっている友人宅には、UAF(アラスカ大学フェアバンクス校)で永久凍土の研究をしているT教授(注1)や北海道大学の研究者が北極圏環境の研究でよく訪れ、アカデミックな立場でのお話を聞くことも多々あるので、そんなことも踏まえつつ様々な視点から伝えてゆこうと思っています。(ちなみに自分の大学専攻は地球科学であった・・大学生の時はほとんど勉強しなかったけれど、今と繋がっているなぁと思ったり)
(注1):このサイトの凍土に関するビデオは超面白い&必見です。英語版ですが小学生でも映像を見ているだけで永久凍土のなんたるかがなんとなく理解できます、そして光栄な事に私もこのプロジェクトにちょっとだけ協力させてもらっています)

他にもいろんな村に行き、報告したいことは山ほどありますが
それは今後、出版本やHPで発表してゆきたいと思います。

さて、次は北(ブルックス)と南西(ユーコンフラット)、そして最後に
アンカレッジ周辺のフィヨルド群です。
あと、オーロラの空撮も。

フェアバンクスでは、まだ本格的なオーロラを見ていませんが
オーロラ空撮にむけて深夜、寒風に耐えつつ着々と準備しています。


滞在期間は、あと一ヶ月半。
人生は短く、アラスカは広い・・ですね。

ちなみに以下は、現在までの飛行経路
(赤が今年に飛んだ経路、青が昨年に飛んだ経路)
今年はまだまだ飛びます!

2008年8月14日木曜日

アメリカ大陸最西端の村、Walesへ

今日、ノームという街からアメリカ大陸最西端(だと思う)の
Walesという村に到着しました。

なかなか天気が悪く(岬の村なので、悪天は当たり前だそうです)
Walesの東にある山おろしの風が異常に強いため
一度引き返そうとしたのですが、そこは気合いを入れて?
ぐるっと山を回り込み、相変わらずの強風の中Walesに降り立ちました。

今日は、ここで泊まるということで
いろいろと村を歩いてきました。
(歩くといっても10分で終了するような村、人口170名だそうです)

着陸時とはうってかわり、段々と天気が良くなってくるなか
相変わらず無邪気な子供達、
夜11時頃まで鼻水垂らしながら裸足で遊んでいます。





アラスカの西の端の村でロシアは目と鼻の先。
今日は見えなかったけれど明日は、上空から見てみたいなと思います。


凄いところに来たな・・と感傷にふけりつつ
明日はシシュマレフに行きます。

なかなかハードな飛行旅も今日で一週間。

明日は海霧が出ないことを祈りつつ、、、

2008年8月12日火曜日

ベーリング海沿岸のエスキモー村

いまだアラスカの旅は続き

アラスカベーリング海沿岸の集落を訪ね飛んでいます。

現時点での
Fairbanks以降の経路を以下にまとめると

Glena
Unalakleet
St. Michael
Stebbins
Shaktoolik
Elim
Breving Mission
Teller

という村を5泊6日で回ってきました。
(地図なんかで探すと面白いと思います、フェアバンクスから西の経路です)

それぞれの村にはいろんなエピソードがあり
大変興味深かったりするのですが
それを書くと長くなってしまうのでまた次回以降に。

旅の過程で印象的なのは、
どこの村のエスキモーさんたちも、
とても優しくて、純粋で、まっすぐである
ということ。

疑わず、急がず、ゆるりと
いまを生きている

そんな印象を受けます。


そしてまた子供達のかわいいこと!





村を歩いていると、
どこからともなく現れてきて

「名前はなんて言うの?」
「何やっているの?」
「どこからきたの?」
「うちのお父さんのこと知っている?」
「子供はいるの?」
「写真とってよ」

こちらから質問する間もなく
ああだこうだと、溢れんばかりの笑顔で話しかけてきてくれます。


ネイティブの村については
いろんなことが議論されていたり
私自身も聞いた話しか持ち得ていませんでしたが

そういう世の中の雑多なことはともかく、

ベーリング海沿岸のネイティブ村をただ歩いているだけで
なんだか気分が晴々してくるのです。

アラスカの西の果てから



昨日フェアバンクスからユーコン川沿いに西へ飛び立ち、
約5時間弱の飛行でアラスカ西の果て、
ベーリング海沿岸の村、Unalakleetという場所に到着しました。


いかにもアラスカエスキモーの村という感じですが、
みんな明るく挨拶してくれて素朴なよい場所です。


今日はその町から30分ぐらいのところにある
セントマイケルという村に飛行しました。

そこで、ちょっとした出来事が。


着陸接地後、ふと前を見ると
いきなり雄の角があるカリブーが目の前に、、、、!!!

あやうくぶつかりそうになりました。

着陸前の滑走路確認では何もいなかったのですが、
接地後、突然カリブーが飛び出して滑走路を横切りました。

なんとかうまくよけることができましたが、
アラスカらしいフライト体験でビックリでした。
(そのビデオを後席の人が撮影していたので、今度アップしますね)

その他、帰りには、ベルーガの群もみたりと、いろんな体験をしています。


明日以降、ノームという町周辺のちいさな集落を訪ね歩きます。
それぞれの村は規模が小さいながら、
実に様々なエピソードがあり本当に感心感動しながら旅をしています。

またどこかからメールします。

ちなみにハスキーは快調です。

フェアバンクスに到着

フェアバンクスに到着しました。

タルキートナを超えてからとんでもない悪天で
目の前は、雲の壁!




帰ろうか?進もうか?

ちょっと悩む中、
川の上を這って飛びました。

アラスカ山脈を悪天時に越えるのは、スリリング。
悪天域をすぎた後に差す光が、なんともきれいだった。

そのうち写真付きで体験記書きます。



明日からユーコン川を下りノームの南にある村に旅立ちます。

また連絡できませんが、きっと良い体験ができると思います。

では、また!


ちょっと陽がさしている午後、
秋っぽいフェアバンクスより

2008年8月5日火曜日

フェアバンクスへ

今日、フェアバンクスへ飛び立ちます。

昨晩、10時頃しばらくお別れのアンカレッジを飛びました。




遠くにスリーピングレディが見えて
海と緑の平原のあるアンカレッジもいいな、と思いました。

今度は、山岳地帯の飛行、
カリブー見てきます。

では、またフェアバンクスでお会いしましょう。

2008年8月3日日曜日

芝刈りDAY



「芝刈り、やりたい?」

もうすっかり有名になってしまったルームメイトのピーターさん。
夏は、レンタル自転車屋さんが忙しくて(夏は休みゼロ)芝刈りもできない。

そこで、いつも飛んでいるわけではない僕がお願いされるのだ。

「音がうるさいから、日中しかできないんだ、なあ、ひとつ頼むよ」

居候させてもらっているので、二つ返事でやることに。

今年のピーターさんは、タダ飯は食わせてくれるし
お金を取らないで、家に泊まらせてくれる。

飛行機のガソリン代が、めちゃくちゃ高くなっている最近、
本当に助かる彼の気遣い(たぶん)・・
芝刈りぐらい、なんのその。

ということで、今日は飛ばずに芝を刈っていました。

しかしなんで、アメリカ人はこんなに芝が好きなんだろう?
どこもかしこも、芝だらけ。


写真:まずは遊んで虎刈り

故障からの復帰

今日は、試験飛行。

修理をお願いしていた整備士クリスは、
「速度計の調子がまた悪かったら、すぐに降りてきてくれよ、
下で待っているから」

という。

いざ飛んでみる。

加速と同時に速度計の指針は増えてゆく。
どうやら、問題なさそう。

操縦桿を軽く引いて、離陸。
高度、200mぐらいを上昇中。

すると!?

速度計の針が、ゆっくりと減ってゆくでないか・・・

30マイルのところまで速度計の針が減ってしまった。
でもすでに空中。

速度計の指針が、正確であれば
すぐに失速墜落状態。

今回は、GPSを持ってきたので大丈夫だったけれど
速度計が、おかしいと気持ち悪い。

アンカレッジの飛行場は混んでいて、
ほかの飛行機が入り乱れるなか、衝突しないように外を見ながら
墜落するはずの速度指示をちら見しつつ、
管制塔に着陸をリクエストして、GPS速度で着陸。

クリス曰く、「おかしいな、どこも悪くないが・・・」

いろいろと調べた後、再度離陸。
離陸滑走までは、OK。

しかし、、
また、おかしい。
200Mくらいの高度で、急に速度がなくなる。

しかもさっきより、かなりひどい下がり方。

上空で、水平飛行しながら周囲のトラフィック(他の飛行機)を探しつつ、
GPSの速度と不正な指示をする計器板の速度計を見比べる。

相変わらずデタラメな数値。
他の飛行機のケアをしつつ・・困ったものだとひとり思う。

それにしても、ほかに飛んでいる飛行機が多い。
管制官も必死になって、トラフィックをさばいているが
対応し切れてなさそう。

これで、速度計が壊れているから・・・うんぬん、なんて無線で言ったら
まさしくKYなんだろうなぁ、と思いながら着陸順番待ち。

アンカレッジは、天気がよい日には
小型飛行機が飛びまくる環境で
しかも北はAir Force、南はInter National Airport&世界最大の水上飛行場に囲まれた
世にも珍しい小型機〜大型機〜軍用機が入り乱れる場所。
(ちなみに航空写真家にとっては、絶好の撮影場所だそうです)

空自時代にいた千歳空港も、民間機と軍用機が入り乱れて
管制官すらパニックになるような状況もあったので、まあ
慣れているものの、アンカレッジは素人パイロットさんがとても多いので
空中衝突から自分の身を守るには、自分の目で全周を警戒しなきゃいけないんです。

(ちょっと専門的な話になりますが、IFR(計器飛行方式)とVFR(有視界飛行方式)では、
VFRの方が遙かに自分で考えること、やることが多くなります)

その後、無事着陸。

整備士のクリスと、再度故障探求。

速度計の別の系統に空気圧をかけると、
水が、ぶわっと飛び出して二人とも
顔を見合わせつつ、

「なんだ、これだったんだ!」

と大笑い。


ちと、専門的な話が多くなりましたが
ハスキーは、無事修理完了。

その後、再チェックのためフライトし
緑淡い草原の上を飛んできました。


ぽつんと廃屋

アラスカって、本当にきれい。

この淡い緑のせいで、
自分の道が決まってしまったのだなと思うと
飛行中に、ちょっと感慨深くなってしまうのでした。

2008年8月2日土曜日

産経新聞に登場

産経新聞に「アラスカ極北飛行」登場です。



立て続けに紹介していただいて
本当にありがたいことです。

反響も、ぼちぼち・・(いや、結構あります)

まだ手にとっていない方は、ぜひ読んでみてくださいね。

アマゾンでも買えます。
アラスカ極北飛行
で検索してみてください。

2008年8月1日金曜日

アラスカ極北飛行、朝日新聞で紹介

アラスカ極北飛行の新聞紹介です。

まずは、朝日新聞北海道版で。

以下に記事が掲載されたようですので、ご覧下さい。
(北海道の方は、朝日新聞の紙面を見てくださいね)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000000808010003

アラスカにいるので、どんな紙面か分かりませんが
記事のコピーをそのうち、貼り付けたいと思います。

ひとまずアラスカからご報告でした。

やはり・・ハスキー故障

イヤな予感って当たるもので、
本日の初飛行、なかなか、いいパンチもらいました。

早朝、アンカレッジを出発してハイウェイを北上。



向かう車は、アンカレッジに出勤する人たち?
まだ5時台にもかかわらず大変だ。

ハスキーの置いてあるビッグレイク飛行場へ。

ハスキーは、無事みたい。
しかしバッテリーが上がっており、
充電をしなければいけませんでした。
奥の黒い箱が、充電器。

その後、エンジン始動して離陸。

約1年ぶりの飛行で、オレって怖くないのか?
などと思いながら単独飛行。

一年間、まったく飛ばないと普通は
どんなプロパイロットでも
教官クラスの人と飛ぶものだけれど、
そんな金もないし。
そこら辺は、気合いでカバー。

やっぱりアラスカいいなぁ・・(ちょと曇りがちだけれど)

なんて外の景色を見ながら飛んでいると
何かがおかしい・・・・

いや、離陸のときから気付いていたんだけれど
飛行機の速度計の表示が、デタラメっぽい。

最初は、感覚と違う速度を示している計器を見て
「オレ、下手になったなぁ・・・」と思っていたのですが
どうやら、飛行機の速度計が壊れているみたい。

飛行機というものは、速度を基準に移動する乗り物で
自分の速度が分からないと、ちょいと厳しくなります。
簡単に言うと、速度がある一定以下になると、墜落してしまうんです。
パイロットの人なら、分かると思いますが
着陸時が大変です。

さて、どうしたものか。

体感で速度を感じながら、(まあ、エンジン出力一定でAOAを合わせればどって事ないんですが、ここはスリリングに→ちょっと専門的です)

パワーを一定に保ち、索敵しながら普通に飛んでいました。
するとF-15が真上を通過。
「あいつらが速度計壊れると、エマージェンシーになるんだけれどな」
(→戦闘機は、速度が速いしシステムが複雑だから)
と思いつつ、写真などをノンビリと撮っていました。

アラスカのモスグリーンって綺麗だな、なんて思いつつ。

その後、、、

パイロットの方々には、信じられないかも知れませんが
着陸は、感覚で行いました。
約1年ぶりに行う着陸が、速度計なし・・・
いやぁ、いい経験させてもらいました。

16年間の飛行で、初めての経験。

怖いというか、面白かった。

着陸後、定期整備をやってくれる整備士に
「速度計壊れたから、よろしく!」
といってとぼとぼと、家まで歩いて帰りました。
(車はビッグレイクに置いてあるので・・)

一応、well doneだったのですが
パイロットらしく歩きながら反省タイム・・
もっと良い方法はなかったのかとか、離陸前の点検はどうだったのか?とか。

良く考えてみると、パイロットって
「何事も起こらないのがベスト」みたいな職業で、それの逆説として
いつも「何か起こるんじゃないか?」と考えながら生きている種族でもあります。

「生きてなんぼ」、の世の中と考えると
フライトなんかしない方がいいんですが
「飛んでなんぼ」であることも確かで、
そこら辺は、一生調和しないんだろうなと思いながら
ハスキーも自分も無事であったことに喜びを感じています。

パイロットの皆様、

「飛ぶ前は、いつも心に、緊急手順」

なんて一句詠んでみたり。

さて定期検査が終わったら、フェアバンクス行きです。