2008年8月21日木曜日

シシュマレフ

前回の日記が、北米大陸最西端のWalesで
それからしばらく日が経ちました。
こんな感じで、野営や村の小学校に泊めてもらいつつ



その後、さらに10ほどの村を回り、
15日に無事フェアバンクスに帰還、9日間の飛行旅はひとまず無事終了し
フェアバンクスの友人(というと恐れ多い方の家なのですが)で
休養&次の旅の準備をさせてもらっています。

今回一緒に旅をした映像作家のKAJI RYO氏と
持ち帰った映像などをチェックしすると、
シシュマレフの海岸線を超低空で空撮した映像が圧倒的で、
ふたりでアラスカンアンバーという名のビールを飲みながら
おもわず感嘆の声を上げてしまいました。

確かに海岸線は浸食激しく
すでに倒壊している家屋が確認できるし、
浸食を防ぐ消波ブロックが浸食の激しい海岸線に積まれています(写真参照)


ビデオでは、スローモーションで海岸線を空撮したので
それがよりドラマティックに展開され、NHKなどで放送してもらうと
凄いだろうなぁと二人で話していました。(それがどのような使われ方であったとしても視聴者には驚きになるんじゃないかと)


マスコミなどで温暖化の象徴として取り上げられている村、シシュマレフ。
なんでも自分の目で見なきゃ納得できない自分は、
あの村を上空と地上から見て、いろんな意味で納得しまいました。


ニュートラルな立ち位置で
空の視点から事実だけ言うと

1.あの村は砂嘴の上に立つ村。

2.村の通りを歩くと地面は砂で歩きにくい。

3.もっとも変化の激しい場所に村が作られており
それは浸食というか、変化するのが前提のような地形であることが一目瞭然。

4.内陸部にラグーン(海の一部が砂嘴によって外海と遮断された湖沼)、
外は外洋ベーリング海で、自給自足を前提にした食料調達では最高の環境というのがよく分かります。


なにかこの状況を見てうんぬんかんぬん・・・言うよりもまず、
最初にあの場所に村を作った人と話がしてみたくなりました。


お世話になっている友人宅には、UAF(アラスカ大学フェアバンクス校)で永久凍土の研究をしているT教授(注1)や北海道大学の研究者が北極圏環境の研究でよく訪れ、アカデミックな立場でのお話を聞くことも多々あるので、そんなことも踏まえつつ様々な視点から伝えてゆこうと思っています。(ちなみに自分の大学専攻は地球科学であった・・大学生の時はほとんど勉強しなかったけれど、今と繋がっているなぁと思ったり)
(注1):このサイトの凍土に関するビデオは超面白い&必見です。英語版ですが小学生でも映像を見ているだけで永久凍土のなんたるかがなんとなく理解できます、そして光栄な事に私もこのプロジェクトにちょっとだけ協力させてもらっています)

他にもいろんな村に行き、報告したいことは山ほどありますが
それは今後、出版本やHPで発表してゆきたいと思います。

さて、次は北(ブルックス)と南西(ユーコンフラット)、そして最後に
アンカレッジ周辺のフィヨルド群です。
あと、オーロラの空撮も。

フェアバンクスでは、まだ本格的なオーロラを見ていませんが
オーロラ空撮にむけて深夜、寒風に耐えつつ着々と準備しています。


滞在期間は、あと一ヶ月半。
人生は短く、アラスカは広い・・ですね。

ちなみに以下は、現在までの飛行経路
(赤が今年に飛んだ経路、青が昨年に飛んだ経路)
今年はまだまだ飛びます!

2 件のコメント:

chena さんのコメント...

初めまして。
北海道、大滝在住の時田雅子と言います。
もしかして、滞在されているお宅は、
○山さん宅なのかな~と思い、コメント
させて頂いています。
我々夫婦も、アラスカ在住中は、大変お世話になりました。
もし、○山さん宅でしたら、宜しくお伝え下さい。
シシュマレフの画像、凄いですね。

湯口 公 さんのコメント...

そのとおりです!
もの凄くお世話になっています。

昨日は、電話ありがとうございます。
北海道に戻った際は、ぜひ写真展に来てください、
お会いできるのを楽しみにしております。

シシュマレフは、動画も含めて
いろいろと撮影してきましたので
これからの画像UPを楽しみにしてください。