2009年6月26日金曜日

仙台にて

義理の父の不幸により、急遽仙台に。

父君の訃報の哀しみは、北海道とは明らかに異なる東北の暑さと重なり、生涯体のどこかに残り続けるだろう。

四年前の今頃、
「戦闘機パイロットをやめてアラスカに行きたい」

と相談した時に見せたお父さんの、
あのニコッとした笑顔が忘れられない。

「あなたの好きなようにやったらいい、応援してますから」

父君のご冥福を祈りつつ、
葬儀後は、すぐにアラスカへ主発だ。

しっかり飛ばなければいけないと思う。

2009年6月24日水曜日

アラスカ極北飛行DVD上映会 in Tokyoのお知らせ

アラスカ極北飛行DVD上映会
~たったひとつの風景で、人生は変わるかもしれない~

と銘打って、
一緒に知床回った友人「betty涼子」の属するツアー会社
地球探検隊オフィスで上映会を行ってくれることになりました。
ご案内はこちら


「上映会後、アラスカキャンプ、シーカヤック、ユーコン河下りなど、
 地球探検隊が提案するツアーの説明会も兼ねています」 

ということでツアー説明会の前座的な上映会なのでしょうけれど、
ともかく「DVDアラスカ極北飛行」の東京初上映会!なので
興味ある方はぜひ行ってみてください。
本編43分、すべて上映してくれるそうです。
(いいな、俺も見たい)

ニセコの我が舎の上映のようにエゾ鹿ソーセージは付いてきませんが、、、(笑)
きっとアラスカ好きが集まる素敵な夕べになると思いますよ。
ほらアラスカ談義になるとみんな止まらなくなるし(笑)

あ、もしDVDを見て欲しくなったら
betty涼子(青崎涼子さん)にその旨お伝え下さい。


ちなみに反組織+超アウトローな私は
地球探検隊ツアーに関しては、まったく無関与です・・けど・・ん?
調べてみると・・・
ツアー主催は尊敬するMASA安藤さんのHAIしろくま・・か。

MASA安藤さんは今年、私の大学同期の冬山仲間3人をマッキンリー頂上に導いてくれた恩師。安全にすごい体験させてくれる安藤さんだから、ちょっと無視できないな、仲間の無事を徹底的にアシストしてくれた方なんだから。

同行スタッフが一緒に知床漕いだbetty涼子だし、
氷河のシーカヤック???って知床にはないし、
(流氷ならある、、でも冬で寒いし)
飛行機にシーカヤック積めないから俺ももちろんやったことないし。
氷河ウイスキーは確実だし。
もしかしたらこのツアー面白いかもしれない。

まあ、ご自身の判断でツアー決めちゃってください。
俺にはどうでも良いことだけど、でもアラスカは良いよ。

ちなみにMASA安藤+betty涼子コンビは、
あまのじゃくでアウトローな私のなかで、個人的に結構好きです。

ほら毒されていないというか・・・今の世の中で希有な人たちですよ。

2009年6月22日月曜日

DVDへの嬉しい感想

DVDの初版(ようするに第1回目の製作分)が完売となりました。

本のように何千部と作ってはいませんし、
販売もHPのみなのですが、予想以上の反響でした。

動画映像は、直接視覚に訴える力がありますから、
たしかにこの目で確かめてみたい!という気持ちは
分かるような気がします。
(以下はプロモーションサンプルです)


オススメはこちらの大画面ハイクオリティバージョン

ここで、私のもとへ
よせられた感想を少し紹介します。


----------------------------------
DVD拝見させていただきました。
とっても素敵でした。

神奈川県 T.Wさん

早速拝見させていただきましたが、
予想にたがわず素晴らしい映像とその映像にマッチした音楽でした。

極北の動画が出てきたときは読んでいた本の感動と合わせて素晴らしい臨場感で拝見できました。

ブッシュランディングや空からのオーロラもその場にある透明な空気感が身近に感じられ、
これまた感動でした。スチルも良いですが動画は移りゆく情景の描写が圧倒的迫力で目の前に迫ってきます。

素晴らしい音楽の宮本満栄さんのCDを探しましたが今は売られていないようでちょっと残念でした。

編集も湯口さんがされているとのことで注意深く拝見いたしましたが、音楽の編集や映像が本当に自然な感じがして、私の感性と良く似ているなあと(最も私の感性は湯口さんには到底及ぶものではありませんが........。)感じているしだいです。

今後とも湯口さんの発信するアラスカ情報に耳を傾けて行きたく思っております。情報(東京でのビデオ鑑賞会、写真の展示など)などありましたら是非お知らせ下さい。お会いしお話など直接聞けたら幸いです。

アラスカのビデオを流して湯口さんのトークも聞ける夕べなど企画していただけると生のアラスカが感じられる企画だと思いますがいかがでしょうか

東京都 T.Mさん

早速DVDをお送りいただきありがとうございました。
楽しく拝見させていただきました。
いままで見たことのない世界を堪能できました。

表現者にとっても大変な時代を迎えていますが、
本当に大切なものは生き残るはずです。
これからも、素晴らしい映像を残していってください。
楽しみにしています。

北海道 Y.Sさん

透き通るような美しい映像と音楽に引き込まれています。BGMが素敵ですね。

滋賀県 Y.Yさん
---------------------------------

第2版製作は現在急ピッチで進行中。
私がアラスカにいる間にも、品切れしないよう沢山用意しておきますので
ぜひ下記から御注文下さい。

DVDの御注文はこちらから

2009年6月19日金曜日

知床からの帰還


無事、知床一周シーカヤックから戻りました。

モノクロが似合う寒・霧・穏の知床を漕ぐ4日間は、

ロマンティックな小舟の旅となりました。

いずれ旅の風景を報告したいと思います。


ニセコに戻ってから、旅の余韻に浸りつつ、
DVD注文の発送作業(6/13日以降に御注文してくださった方は本日発送しました、沢山の御注文ありがとうございます)
6/30出発アラスカ関係の準備、調整などに追われています。


旅が終わり、忙しく動く自分を
やはり現代の人間だな・・・と思いつつ
移動そのものが一大事であった古き時代に思いを馳せるのでした。

手漕ぎカヌーでの知床一周は
そんな旅情に充ちています。

2009年6月13日土曜日

明日から知床に行ってきます

湯口が知っている限りでは、かなり極悪な
6名の北海道アウトドアメンバーにプラスして
東京からやってきたBetty涼子が知床シーカヤックの旅へ。

明日、弟子屈で前夜祭、
明後日、ウトロから漕ぎ出して羅臼を目指します。

シリエトク(地の果て)の旅は、いったいどうなるのか?

いやー楽しみ。

Bettyさんとも久しぶりなので
おもしろい旅になりそうです。

Bettyと6人の海賊

かな、、


p.s.

DVDの今日分までの申し込みは送付済みです。
明日(13日)以降の申し込みは、19日以降の送付となります、よろしくお願いします。

2009年6月10日水曜日

尻別川カヤックポイントにて


北海道には梅雨がないはずなのに
なぜか曇りがちの最近、、
しかし今日は、珍しく太陽が姿を現した!

布団を干して、ちょっとお仕事した後
たまらずカヤックを車に積んで5分走り、
尻別川のウェーブ(と言っていいのかな?)スポットへ。

そしたら、上流からやってきた見たことのある顔と
黄色いカヤックが1艇やってきた。

「あれ?幾春別で会いましたね!」

「ああ、そういえば!お久しぶりです」

ウェーブを楽しみながら、少しお話をすると
黄色いカヤックの彼(ちなみに僕も黄色いカヤックですが)は
ニセコでラフティングの会社を個人経営しているそう。
僕も、自分のアラスカ話を話すと、

「互いに、面白いけれど儲からない仕事ですね(爆笑)」

その後、華麗なウェーブ乗りを数回披露した彼は、

「では、また〜」

と言いながら爽やかに流れていった。
そういえば、互いに名前すら聞かなかったけど、まあいいか。
カヤックやっていたら、またどこかで会うだろう。

約30分間、沈しまくりながら目一杯遊んで上陸すると、
今度は、ニセコカヤック&テレマークの重鎮、
西田さんとその仲間に遭遇。カヤックスクールしていたらしい。
Dog Paddleの建物と西田さんの生き方スタイルがかっこよすぎで
憧れの人なのだけれど、なかなかどうして
こういうところで出会ってしまうのは、結構うれしい。

かるくお話ししたあと、

「こんどまた遊びにおいでよ」

なんて言われると、しびれてしまう。

知床シーカヤックの新谷さんといい、西田さんといい
格好イイおじさんが多いニセコ。
黄色いカヤックの彼もそうだけれど、
魅力的な人間がゴロゴロしているわ〜

しかも!平日の昼間に!

本当に不思議な場所!

2009年6月9日火曜日

パイロット3人倶知庵へ

茨城の大利根飛行場で飛行機を飛ばす3人が、来倶(来倶知安)。
飛行機とはまったく関係ないニセコエリアに遊びに来てくれました。


まずは、ニセコアンヌプリで昨年末から
ピザ屋を始めた杉本さん夫妻の所へ。
非常に新鮮な朝どりアスパラ・ピザを楽しみながら、
飛行機談義、ニセコ・アラスカ談義(あとご主人と狩猟談義!)などを楽しむ。
この写真は、別の日に撮ったものだけれど雰囲気が出て綺麗なので掲載、
Delsol(デルソーレ)というお店なのでみなさんぜひ行ってみてください。
窯焼きピザは絶妙なおいしさですよ。

その後は、神仙沼散策のあと奥ニセコ新見温泉へ、泉質最高。


夜は恒例、倶知庵エゾ鹿部屋にて
エゾ鹿ジンギスカンと普通のラム肉ジンギスカン。
しかし、さすがに量が多すぎてクマ肉まで手が回らず、残念。

皆さんが手みやげで持ってきてくれた
「ニッカ余市」と「日本酒、麗峰」など非常に嬉しかった!
そして増田さんの手料理は、美味しかった!です。
ありがとうございます。

しかしなんで私が「余市」好物だということが分かったのですか?


その後、エゾ鹿部屋でなぜか嫁さんのバイオリン演奏会が始まり
弦楽器の生演奏とエゾ鹿部屋の不思議な雰囲気の中、
みな神妙に聞き入っていた。

その静かな演奏会の空気に耐えられなかった俺は、
むしゃむしゃバリバリと酒つまみを喰い、
日本酒のキャップを「ポン!」と開けたりして妨害を試みたのだが、
結局、皆にいやがられ失敗に終わる。
どうも静かな宴会は気にくわないのだが、
お客さん優先、たまにはいいか。

その後、野営飛行舎ギャラリーにてDVD鑑賞会&2次会。
しっかりとアラスカを見ていただきました。

翌日、川下りをしよう!ということで
NAC(ニセコアドベンチャークラブ)に申し込み、
ガイド付きのダッキーツアーに参加。
3名は、ガイドさん(テッチャン、、Kage君とギター弾いてたあのテッチャンでした)の指導のもと、安全に楽しく川下り。


当初は、フリーでカヤック参加しようと思っていた俺も
帰りの足がないことに気が付き、
結局料金を払ってガイド付きのカヤックツアーに参加、
原田さんという風貌も技術も教え方も素晴らしいカヤックガイドさんが
ぴったり付いてくれて何とも贅沢な気分を味わった。
こんなことは、もう一生ないだろうと思いつつ
教え方や技術をしっかり学ぶ。
ガイドという職業は、
お客さんと無形の夢を共有する素晴らしい仕事なんだなと
考え方が少し変わったりする。
ガイドの原田さんには感謝。

あと、尻別川にもスポットで楽しめる場所を発見、
地元のカヤッカーが平日なのに遊んでいた、、びっくり!
今度、遊びににいこう。

ダッキー3名は、夏コースの尻別川と半分ぐらい見える羊蹄山の景色をしっかり楽しんだ模様。
ラフティングではなく1人で漕ぐダッキーで正解だったかな?スリルをそこそこ味わったようです。

帰りは、ソバを食べて羊蹄山見ながら千歳までドライブ。
千歳では、千歳航空自衛隊の外柵沿いF-15鑑賞スポットで
ナイト訓練で離陸するイーグルの爆音体験ツアー。
低シーリングなのでハイレートクライムせず、
MIL離陸だったのでちょっと残念だったが
それでも十分すぎるほど迫力のあるサウンド。

現役の頃は、ここから手を振る民間人に
「おまえら、平日のこんな時間になにやってんだ・・・」と
思いつつ、たまにサービスで手を振ってあげたりしてたっけ。
今は昔、もうあの戦闘機に乗ることはないけれど
今日も訓練の無事を・・・とこころの中でつぶやいておいた。
人知れず24時間、国を守っている彼らをこころの中で応援するのは、自分の役目だ。

戦闘機パイロットは、使命感を持って飛んでいる。
でなければ、あんな厳しい訓練やっていられない。
自衛官という兵隊の名誉も周囲からの尊敬も、
この国ではあらゆる意味でゼロだが、それでも彼らは訓練し続ける。
それは私欲をこえた活動なのだと辞めてから強く感じる。

今の自分はどうか?
経済的な豊かさとか、楽に生活するイメージは無視して
自分が信じるがままに生きてきたつもりだ。
なにか、こう楽に・・とか楽しく・・とか
現代に生きる大多数の人が持つプライオリティから
一番かけ離れたところを経路としては目指さなければと思う。

そして生き方〜スタイルを世に問うのが自分の仕事で、 

それは使命感を感じられる仕事なのだ思いたい。


その後、みなさん民間千歳空港から飛行機で関東へ。


いつも山仲間と遊ぶことが多いので、
飛行機仲間とのひとときは、かなり新鮮だった。
私も来月からアラスカで飛行機だけれども、
今回の友人たちは日本で飛行機を飛ばす人たち。
みんな熱意を持って、飛行の数は少ないけれど(月に1〜2回だそう)、
飛びたいという気持ちで頑張っている姿には、刺激を受けつつ、
最近あまり飛びたいという飛行機へのこだわりな気持ちを
前面に出さなくなった自分ってなんなんだろう・・・

と思いながら、倶知安までの帰路考えるのでした。


2009年6月6日土曜日

男塾塾長 佐々木規雄

現在の日本では絶滅危惧種である
「気合いの入った男」

を紹介しよう。

現在、リヤカーチャリンコで日本一周をしている

沖縄県出身

ライフセーバー&男塾塾長
佐々木規雄 31歳

である。

最近は貯金や将来設計、婚活が趣味の「草食系男子」や
ニセコで「パウダーさいこぅ♪」と
長い茶髪をゆらゆらさせるクソ若者ばかり見てきているので(失礼)、
短髪、質実剛健なこのオトコをみるとなんだか、ホッとするわけだ。

出会ったのは、GWの忠類川カヤックツアー。
彼は、私の愛すべき極悪川下りチーム「イグアナ」に拉致されていた。
(正確にいうと、釧路川100kmマラソンレースで出会ったらしい)

経験者でも厳しい超激流に、生まれて初めて1人カヤックで放り込まれても弱音ひとつ吐かず、

酒を飲まないのに(理由は後述)我々クソオヤジ軍団の宴会に
イヤな顔ひとつせず参加してくれる好青年だ
(最近は30歳付近でも青年だね・・)


佐々木塾長は、

1.体型維持のため、まったく酒を飲まず暴飲暴食をしない。
2.快楽とは、筋肉痛のことだと思っている。
3.とにかくすごいことをやりたい。
4.リヤカー自転車で日本を一周する過程で、ライフセービングを日本に紹介しつつ、若者に夢と希望を持って頑張ることの大事さを伝えたいと本気で思っている。

さすが自称「男塾・塾長」を名乗るだけはある、、そして
なんとも気持ちの良い男であった。

そして

「他人に何かしてやれることといったら、自分が好きなことで輝くこと」

ということをあらためて教えてくれた若者であった。


金が金を生む拝金主義が残した怨念みたいなものは、当分解消しないだろう。


だからいまは、こういう気持ちの良い冒険者を眺めながら
自分の好きなことを追求してゆく、それしかない。


彼の軌跡は、ブログで分かるので
近くにいる人は、応援してあげてください。

現在、日光付近?かな

2009年6月5日金曜日

死を意識して

どうも、最近のニセコエリアは曇天が続いている。
それでも畑は、美しいラインを刻んでジャガイモの葉が今にも出てきそうな雰囲気だ。


今月末からアラスカへ行くのだけれど
それまでは、北海道をしっかり目に焼き付けておこうと思う。


と何故こんなことを思う様になったのだろう?


毎年のアラスカ飛行は、普通に何ともない感じで
やっている様な気がしていたが、
よく考えてみれば、「大変危険なこと」
であることはもっと自覚すべき

と思う様になった。
これは、ある程度慣れてきたからだろうか?

死を意識しだしたのかもしれない。

「今年あたりは、危ない」

となんとなく自分のなかの第六感がざわついている様な気がする。
無駄なフライトはやめておこう。

といいながら、現地ではそんなこと忘れて飛ぶんだろうな。
いけない、いけない。

飛行士の最も優先すべきことは、「死なないこと」

これに尽きる。

死んでしまっては、どうしようもない。

2009年6月4日木曜日

知床世界自然遺産

先週末は、DVD製作も一段落、
お客さんがポロリと来たので
北海道、島牧村にある観光名所「賀老の滝」へ。
(実は自分も初めてなのだけれど)
しっかりとした道がついており、小一時間ぐらいで往復できるのだが、
あいにくの雨、急ぐ様に名所を目指す。

高さ70m幅35メートルだそうで、なかなか。 

それより川の激流が気になる。

これは・・・下れないな。すごい流れの複雑さ。 

ちゃっかりと、採るものは採っておく(笑) 
もう六月だけれど、まだまだ沢山あり。要するに高い場所にいけばOK。 

冷えた体に、渋過ぎの温泉でゆるりと。 


ここの温泉は、営業しているのか分からないほど
存在感がない・・・でも、それが!またいい。

と日常の話はここら辺にして
話を来週末の知床カヤックツアー
(新谷さん的に言えばエクスペディション)にしよう、

今回のメンバーは、8名
日程は3泊4日

僕は、リーダーではなく連れて行ってもらう立場。
まあ、メンバー全員で役割があり、僕は(勝手に)撮影担当。
D3とHVX-200を無謀にも持ってゆく予定。
もちろん北海道アウトドア本での1テーマとして執筆を考えていて
知床の海を世に伝えてみたい気持ちはあるな。

そして去年の2月下旬、知床岬までテレマークで行ったときは
断崖絶壁の海岸線トラバースに相当苦労した思い出があり
今回は海からその現場を見て、ざまあみろと感慨にふけりたいと思っている。

知床は世界自然遺産ということもあり、是非、、
という気持ちは全然なく「なにが世界遺産じゃ」というのが本音。
これは今回の主要メンバーの共通見解でもある。
だからやりやすい。

 もちろん日本で道路のない海岸線は非常に少ないので、知床は貴重なアウトドアフィールドだ。しかしながら知床の冬の森の中を歩いていると、エゾ鹿に喰われまくった木々は損傷激しくエゾシカの糞と足跡はあらゆる所にある。それは自然と言うにはあまりにも不自然な光景で、明らかに「知床に作用する外力がどこかにある」ことが分かる。海岸を歩くと漁業で生業を立てている方々が使用する番屋が、ずらりと立ち並ぶ。それは海岸の普通の光景で悪い感じはしないが、逆に世界自然遺産という言葉が、誰が見ても明らかにウソっぽいということを感じる。
 半島の先端、知床岬では、植生がエゾ鹿に食い尽されペンペン草も生えない世界だ。そこには数坪程度の金網で囲まれた場所があり、貼ってある注意書きには「エゾ鹿対策用の金網ネットです、中に立ち入らないでください」とむなしく書かれている。金網の中には、周りの世界とは違和感のある植物がひょろっと立ち並んでいる。振り向けば、エゾ鹿の大群数百匹ががこちらを警戒しながら、どこにあるのか分からない土中の草をはんでいる。この大群は、その後のエゾ鹿駆除によって200匹ほどが殺されたらしい。

本当に自然の残っている誰にも振り向かれない場所は、世界自然遺産にはならないはずだ。人間と密接に関わっている場所、要するに観光対象としての自然地域が世界自然遺産になるわけで、だったら世界自然観光遺産にして人間が必要な整備をしてゆけばいいと思っている。

結局、何が言いたいのかというと
知床が世界遺産であることは別にどうでも良くて(単なる一例)
そういう誰かの作った分けの分からない定義に翻弄されながら
我々は日々を生きているということに苛立ちを感じるわけだ。

「やらされている感」のある人生は、惨めだ。
行動を根拠にした自分の判断基準=スタイル的な思想を持つべきだと思う。
これはアウトドアや知床だけの話ではない。
精神的な贅沢とは自分で考えることなのだが、いまそういう人は少ない。

今回のメンバーはアウトドア自立していて面白い。
オホーツクの海を見ながらやる夜の焚き火が非常に楽しみだ。

2009年6月2日火曜日

アラスカ極北飛行DVDの紹介

アラスカ極北飛行DVDがついに発売開始になりました。

DVD
アラスカ極北飛行

放映時間:43分
価格:2500円

湯口による解説とフォトカード付き。



まずはプロモーションビデオを。


そのままだと画質が悪いので右下のHQモードオンで見ていただければ幸いです


このDVDは、
タイトルにもある通り

2006-2008
Alaska flight Journey

3年間の旅の記録を美しい写真と映像で綴ったもので
9つの短編で構成されています。

-------------------------------------------------------
DVDアラスカ極北飛行

題目

1.Opening
遥かなる大地への希望

2.The Wings under the world
空撮写真を心情描写になぞらえて構成、和み癒される。

3.Bush Flying ALASKA
小型飛行機でしか行けないアラスカの深淵。

4.Wings into the Glacier
氷河、神秘、そして畏怖。

5.Bush Landing
ハスキーの真骨頂、ブッシュランディングの映像。

6.The Arctic Journey
北極圏を冒険飛行時に撮影した美麗な記録映像集、ピアノの旋律が心の琴線に触れる。シシュマレフ、アナクトブックパス、ブルックス山脈などの空撮映像が登場。

7.Wings in the Northern Lights
オーロラを湯口流に撮影、アレンジ。しかし地上のオーロラだけではないのが湯口流。

8.After Dreams
夢の飛行後に続くもの・・・それは

9.Epilogue
ハスキーの躍動感と人生の寂寥感、我々は終わりがあることを知っているから無駄と思えることが、必要になってくる。構成はスタッフの紹介。
-------------------------------------------------------

無駄をそぎ落とした、すっきりとした手法で
極北大地の映像を編集、
音楽と映像の構成、饒舌な言葉は一切ありません。
しかしながら見ていただいた方には
きっと、なにかを感じてもらえると思います。


このDVDをつくりながら、
数年間ハスキーを操縦しながらカメラを構え、
厳しい寒風の中も窓を開けて撮影したときのことを考えると、
それが本当に遠い昔のことのように思えますが、
実はここ数年、最近の出来事だったりして、
自分の中の急激なストーリー展開が本当に不思議に感じられます。


音楽は、作曲家「宮本満栄さん」がご自身のアラスカでの体験を元に
作製されたもので、とても秀逸かつ作品の質を高めてくれています。
ピアノの旋律とツンドラ大地の鼓動がシンクロしたとき背筋をゾクッとさせる瞬間があります。

ちなみにDVDの製作、編集、ジャケット製作すべての作業は湯口自身で行っています。
ぜひともご購入いただければと思っています。
よろしくお願いします。