2008年3月26日水曜日

オーロラ千夜一夜、、

僕にとってカメラというものは
たかが風景を切り取る機械なのだけれども
これがじつに奥が深い。

写真を撮るという行為に行き着くまでには
様々なアプローチがあるけれども
道具に対するこだわりがとても深い世界で
とある特殊環境下では、
よい道具(カメラやレンズ)=よい写り
の相関関係が比較的適応しやすい。

とくに飛行機を操縦しながらの撮影や
三脚など絶対に使えない行動の制限される
北海道の冬山で撮影するときには
ギリギリの性能が評価されるべきところで
道具の性能=より高い臨場感表現への指標
となる場合が少なくない。

知床で、危険な暗闇の流氷上を歩きながら写真を撮ったとき、

ニセコの冬山、雪洞の中で写真を撮ったときや


旭川の冬山、湯気の立ち上るテント内など


これらは、いまのレンズ(50mmF1.4,14-24mmF2.8)
+D3の高感度性能でこそ撮れたシーンだが
アラスカで夜間飛行しながらオーロラ撮影を試みるときなど
さらに上のレンズ性能が必要となりそうである。

実際に夜間飛行でオーロラ撮影しようとした昨年は、当時の
カメラ(D200)とレンズでは当然無理だということが判明し
大変悔しいことに撮影中止になってしまった。
ただ飛んでオーロラを眺めるだけ(それでも凄かったが)の体験が
より良いレンズを欲するきっかけとなった。

表現は道具の選択時から、
すでにはじまっている

なんて思ったりする。


そして見つけた道具(レンズ)がこれ

〜ノクトの思想を受け継いだレンズ〜
第二十八夜 Ai AF Nikkor28mm F1.4D


「第二十八夜」というのは、ニッコール千夜一夜というニコンの物語?
で出てくるストーリーの二八回目というわけであり、
このレンズAi AF Nikkor28mm F1.4Dは
それに登場する価値がある写りをするらしいのだが、問題はその値段。

伝説のレンズだけあって高い。
しかし性能は文句がない。
もちろんすでに製造中止。
買えるのは中古品のみ。
値段は、30万円を超えるプレミアム・・

でも、
飛行中のオーロラを撮るためには
他に選択肢がない訳で。


オーロラ千夜一夜、、さて。

フリー。

最近、日本(北海道)の遊びネタばかりで
アラスカはどうしたのだ?
という感じだが法的にアラスカには長期間、
居られないのだからこれも仕方がない。
今度行くのは、夏だろう。
約9ヶ月ぶりだ。

国家という、いかんともしがたい決定的な壁があるので
僕の行動は、それによって
かなり制限されているともいえる。

そこで
腐らず
舞台に立てない期間、
すなわち舞台裏である
アラスカで飛べない期間〜日本での生活
をどう過ごすのか?
これは大事なことだと思う。

日常的な飛行が不可能な日本人であることを呪い
アメリカ人に生まれてきたかった・・と
言うのは簡単だが、これを言うと話が長くなる。
(戦前は、日本人もけっこう自由に飛んでいたのです)

そこで
舞台裏だと思っていることでも
実は楽しむことが必要で
舞台裏と舞台をひっくり返すようなパワーが
あるとおもしろい。
そして、
そこに素敵なストーリーが生まれるような気がする。

前回の日記のように
サラリーマンが、雀の涙ほどの休暇を使って
本当に好きなことをする姿は、実に興味深い。
そこには背景となる毎日の仕事があるからこそ
生き生きとする彼らの姿がある。

僕が仲間と北海道の山に必死に登る理由は、
そこら辺を見たいからなのかもしれない。

フリーという言葉がある。
これは抑圧や制限を感じている人の使う言葉である。
そういう人たちは
現状のなんとも言えない窮屈さから
抜け出す瞬間の夢を垣間見るが
抜け出したあと、また窮屈さを感じ
次もフリーの夢を見る。

フリーとは、結果ではなく
状態のことを指すのかもしれない。

世間と天上界(山や空のこと)の往復をしていると
そんなことを感じてしまうのです。

最後にフリーな動画を。



こだわりのない楽しみを。

2008年3月24日月曜日

春のニセコ雪山温泉大会

春ですね

北海道ニセコでも
すっかり暖かい感じなので
土曜日に雪の山中にある温泉に行ってきました
まずは小高い手頃なチセヌプリという雪山に登り

頂上を踏んだのち

滑り出します

ニセコの春山も悪くないですよ


春なので・・・・
こんな事をする人もでてきます


 そして、本命の温泉・・じゅるっ・・

 楽しむメンバー達




温泉へカヤックダイブ敢行!!



すごい!!


スキーで温泉エアー 





もういっちょ!!




救助体制もバッチリ 

この温泉沼、誰もいなくて快適でした 
自然の遊び方って 
まだまだ色々あるんですね 


みなさんもぜひ、春の北海道へ! 


more pictures

http://web.mac.com/reisao/Hokkaido_Powder_Life/outdoor.html
の新着にリンク張ってあります。

2008年3月22日土曜日

突破力。

今日、出版本の推敲(もう、何回目の推敲だか・・)
の合間、世界女子フィギュア選手権を見た。

フリー最後の方で
浅田真央ちゃんがでてきて、さあ演技だ!
と言わんばかりの一発目のトリプルアクセル、、

あれ、いきなりスライディング?
もの凄い勢いで転倒、
真央ちゃんはリンクの端まで転がり込んでしまった。

ジャンプの踏切を失敗したらしい。
フィギュア選手が飛ぶことなく、
滑り転んでしまうのを見たのは初めてだ。

あー、もう優勝はないかな?
と思いながら最後まで演技を見て
点数発表・・

なんと、びっくり優勝。

その瞬間、
豪快なスライディングをしても、なお
優勝してしまう
浅田選手の突破力みたいなものに
とても感心してしまった。

突破力・・

いま、自分に足りないものは
これだとおもった。

どうも、和と協調の世界にいると
せこく生きる事ばかりに悩んでしまって
本当の自分だけの世界で、突き抜けてみたいという
本来の欲求が、薄れてしまう。

これは、自戒である。

いきなりミスをしてしまっても
それを無視するかのような圧倒的な演技力
あの演技は、突き抜けていた。


人生は、突破の連続である。

たぶん・・元気なうちは。

2008年3月20日木曜日

灯台下暗し


知床から帰ってきたあと
間髪入れずに、雪山に4回登ったおかげで
体調を崩してしまいました。

行った場所、
風不死岳、紋別岳、オコタンペ湖、羊蹄山・・

考えてみれば退職してから
2年間で初めての風邪ひきでした。
まあ、いままで突っ走ってきたからなぁ。
と考えてノンビリすることに。

疲労の原因(連続で冬山にいく以外に)
を考えてみると、やはりカメラをはじめとする装備の重さが
原因かと思われます。

知床では、通常の冬山装備プラス、
カメラの重さが4kgだったわけで
背筋と腰がかなり鍛えられました。
日帰りの山なら、どんな重さでも何とかなりますが
冬山の長期縦走では、カメラの重量軽減が必要だなと思いつつ
一度、知ってしまったカメラのスペックは
そう簡単に下げられるわけもなく、難しい問題だったりします。


アラスカ以上に活動的だった北海道の厳冬期
思えば、アラスカにいたときの方が
ノンビリやっていたような気がします。

それは、やはり北海道がアラスカに負けず劣らず
魅力的だということでしょうか?

灯台下暗し・・

最近、上がってきたアラスカ極北飛行のゲラを見ながら
そんなことを考えているのです。


写真は知床岬にいたキタキツネ

2008年3月17日月曜日

純粋に楽しむ











僕は、いま北海道にいて
冬山に登っています。

知床エクスペディションから数日後、懲りずに
また、支笏湖周辺の厳しい沢に滑りにいきました。

いつものメンバーは、
全員サラリーマンの週末山スキーヤー。
いつも行動を共にしています。

気取らず、気楽に、楽しむ。

でもね、すごい。

ぼくは、雪山滑り自体に余裕を見せているプロより
時間的にも週末だけで大変で、
生活に苦しんでいるけれど
でも、
とにかく楽しもうと思っている
必死なサラリーマンスキーヤーが大好きです。

そして実は滑りもプロに負けない。

世の中、既存のメディアにのっかった人たちが
有名になるけれど
僕は、目立たず密かに凄い人を
ピックアップしたいと思っています。

彼らに共通していることは
ただ単に楽しもうという純粋な気持ち。

そういう、純粋な気持ちをもって
楽しむことを
この国に、普通に、認知させることが
僕の仕事だと思っています。

なぜならば、
純粋に楽しんでいる姿を
他人に伝えることが、
ちょいとタブーであるような気がして。

楽しんでいる人全員が
賞賛してもらえる・・そんな
国に、なんとかならないものかな?

2008年3月12日水曜日

知床岬へ

しばらく知床岬へ探検にいってました。
(メッセージなど下さった方、返信できずにすみませんでした)

知床岬は、徒歩かシーカヤックでしか行けない場所。
そこに厳冬期、
なんとか
たどり着いてみたいという想いで
山の稜線をつたって岬まで、、いきました。


流氷に埋まった知床岬をバックに


流氷に乗っかってみる


感慨にふける右手には、札幌クラシックが・・


知床岬の灯台下をテレマークで滑る後輩


流氷で黒霧島をいただく

しかしながら・・楽しいことばかりでもなく
非常に厳しい冬山探検になりました


稜線上は、凍り付きスキーはバリバリ


知床半島は、道路が通っていないので
エスケープする場所がなく
帰りは、氷の断崖絶壁を突破しなければならないのです。



時には、夜の流氷渡りなども・・・



流氷の向こうには、国後島が見えて
いろいろと考えさせられました。


最後は、夜11時までの夜間行動
写真には映っていませんが、夜の海岸に佇む流氷はとても美しかった。


世界自然遺産という
人間がつくった言葉を軽く一蹴してしまう世界
アラスカも真っ青の壮大な景色

日本には、いまだ素晴らしい自然が残されている。


現在、探検の後遺症で弱っていますが
強烈な体験は、いつまでも自分の心に刻まれそうです。

もっと、もっと行動しなくては。

今度はどこへいこうか?