2008年1月31日木曜日

「あなたも十分に楽しめる」

ニセコでの冬、
アラスカ極北飛行の執筆の合間、
毎週のように冬山に行っています。

やはり週末、サラリーマン冬山行
今回は、珍しくニセコの山も晴れて爽快

なかなかの急斜面に降り立つ


斜面は、おいしく


山で、笑顔のオジサンに出会い


最後は、樹林帯を楽しむ


山は、こんな感じでしたが、
あまりの好天で
稜線に出たときの太陽と景色の美しさに
「ウォー!!」と叫び出す人間多数。
きっと1週間の仕事で
いろいろな鬱憤が溜まっていたのだろうなぁ。

これを聞いていた僕は、
稜線に出たときの・・そういう瞬間の叫びが
彼らを救っているのだろうなとも思い、
だから彼らもまた家族の為に来週から働けるだろうし、
嫌な上司とも何とか折り合いを付けてやっていけるのだろうなと。

人間には救いが必要だ


アラスカの本は、夢持つ人々に・・という雰囲気ですが

今度出す山の本は、
「週末だけでもこんなに楽しいんだよ」
という世のサラリーマンに勇気を与えるものにしようと・・

オレは生活の為に働かなければいけないが
いや、しかし、それでも人生は最高に楽しいんだという、
そんな読んでいて希望が持てるものを提供したい。
決して、単なる雪山パウダー本ではなく。

世の中のパウダー本は、
トップライダーによる派手な演出の綺麗で
カッコいい本が多いけれど
それとは逆に
素人集団による泥臭いやつを作れればいいかなと。

そして、「あなたも十分に楽しめる」という・・


話題、転換

最近のニュースを見て・・

川上未映子さんという芥川賞に選定された方がHNKに出ていた。
歌手でもあるという面白い経歴の持ち主で、文筆歌手と名乗っていた。
番組では芥川賞に至る経緯に焦点をあてて紹介されていたけれど、
インタビューに答える内容が清々しかった。

「たったワンフレーズの文章が、人生を爽快させることができる・・
そんな文章を愛している」



ヤマも文章も写真も
出会ったその瞬間に、人を救う力がある事を信じたいし
それが自分の仕事であればいいと思っている。

2008年1月22日火曜日

心に残る風景

道東の東、マイナス19℃の朝


朝日を浴びる屈斜路湖、和琴半島の木



あまりに寒いので川湯温泉駅の足湯へ



しげしげと見守るふくろうたち



駅構内の蛍光灯、にぶい色で寂しく灯る


その後、友人と合流。
冬期は閉鎖している裏摩周だけど、なんとか登ってみる。



この友人は、生きている間に
「よい景色を自分の目に焼き付けたい」と思い行動している。
傍にいるだけで分かるその情熱。

そういう人と一緒に行動するのが好きだ。
いい景色を分かち合える喜び。



帰り道。悲しくはないけれど、漠とした寂しさが残る月景色。



僕たちはもう一回、
表摩周に行ってみることにした。

月が摩周を光らせる。



めずらしく寂しいこと、辛いことについて
かんがえてみた


どうしようもなくって
ちょっと耐えられないって時、

胸の底からぐっと出てくる寂しさを

なんとか

押さえ込んで消化してしまえるような
何かが欲しいとおもう。


心に残る風景は、その何かのひとつ。