2007年3月28日水曜日

やっとニセコへ戻りました

長い旅のあと
やっとニセコに戻りました。

アラスカも素晴らしいが
日本はさらに素晴らしい、、ですね。
(日本食のウマサは、世界一だとあらためて実感なのです)

ニセコに戻った日、早速
悪友から蝦夷富士とよばれる羊蹄山への山スキー誘惑電話。

冬山道具をダンボールの山から掘り出して
ほぼ一年ぶりに日本の雪山をあじわう。

春の陽気のなか
羊蹄山北斜面上から望む
無意根山、余市岳、積丹岳、余別岳などの
美しい日本の山々を背景に
袋ラーメンを食べながら飲む
日本のビールは
たとえ、それが発泡酒であっても
祖国の素晴らしさを感じるものです。

ニホンのヤマ、ソラ、ユキ、ラーメン、ビール
そして
素晴らしき山のナカマタチ。

下りは
しっとりとした深雪にテレマークを、、
イイ感じで、転けまくり雪だるま状態。
これまた楽し。


山スキー後の温泉って、日本ならでは。

たった200えんぽっちの渋い温泉に浸かり
身体の中に溜まっているアラスカの思い出の上に
祖国の味わいを上乗せしてみました。

なんだかんだいっても
やっぱり日本は良いところですね。

2007年3月16日金曜日

また遊びに来るよ

「ティム、右に360度旋回しろ!右から接近するからな」

アンカレッジとスシトナ平原の海峡を越えたところ
まだ冬の寒々しさがのこる平原上で
僕は、ティムのセスナ185に空中集合して
編隊飛行を組んだ。

「イサオ、何処にいるんだ、見えないぞ?」

ティムにとって編隊飛行は、初めての経験、

「いいよ、4時の方向にいるから心配しないで」

その後、僕らはしばらく一緒に
スシトナ平原の冬枯れの林の上を飛んだ。

ティムのセスナ越しに
アラスカの最後の空の景色が
ゆっくりと流れる。

今日は、僕にとって本アラスカ滞在、最後の飛行。
普通に飛んでいたら感傷的になるから
思いっきりティムの飛行機に近づいて
操縦を複雑にして
つとめて明るく飛ぼうとおもった。

雪面に残る犬ゾリの跡、
凍った湖面に美しくつもる雪、
海氷に埋め尽くされた海、
見慣れた景色とも、しばしのお別れ。

また夏に君たちと出会ったときは、
すっかり緑で美しいんだろうな。

その後、ビッグレイクという森の中にある飛行場に
着陸してハスキーを格納庫の中にしまい込んだ。

「今度、お前と会うのは2ヶ月後ぐらいかな?
はやく会えるように日本で仕事を沢山もらってくるからな
良い子にしてるんだぞ」



ティムは、アンカレッジの駐機場で
たまたま隣に駐機していた飛行機のオーナーパイロット。
一度、強風時にハスキーが動けなくなったとき
何も言わず、ロープと車を提供してくれて一緒にハスキーを
強風から守ってくれた友人。
今回も、なんの見返りもないのに帰りの足となってくれた。

帰りは、彼の操縦でビッグレイク湖畔にある彼の別荘を
上空から教えてもらう。

「イサオ、いつでも俺の家に来い、
お前のでかいタイヤならいつでも降りられるさ。」

「でも、夏は湖じゃないの?」

「じゃあ、フロート買え!」
と大笑いして僕の肩を思いっきり叩く。

陽気にしているティムだが、
奥さんを若いうちにガンで亡くし
いまはお子さんと暮らしている気丈なおじさん。

アンカレッジに着陸したあと、ティムは

「お前の邪魔なガッデムハスキーがいなくなったから、
俺のセスナの駐機がしやすくなるってもんだ」

なんて冗談を言ったと思ったら
最後に自分の湖畔の家の手書きの地図を渡してくれた。

「絶対に来いよ、そしてフロート買え!」

アラスカのオヤジたちは、粗っぽくて
テキトウで口が悪くって、でもとっても
情にもろい人ばかりで大好きだ。



僕は、ハスキーをおいて日本へ帰る。
好きなことをひたすら追いかけ続けてきた僕も
明日のメシ代のことについて少し悩むことはある。

そんなとき、僕の毎日の昼飯代を抜けば
ハスキーのガソリン代の足しになるんじゃないかって
思うことがあるよ。

その程度だけどさ。


「好きなことを続けてゆけば、なんとかなるさ」


アラスカに来て

アラスカに教えてもらった言葉。


また遊びにくるよ。

2007年3月15日木曜日

アラスカの冬を越してみて

星野道夫さんの本で
「アラスカの冬を越したものにしか分からない、うんぬん、、」

というフレーズがあったような気がするのですが
最近の3月の日照時間の長さを
感じると、本当にその通りだな、、
と感じます。

急激な日照時間の増え方は
住んでみて毎日過ごすと
すごくよく分かるんですね。
さらに冬に小型飛行機で飛ぶという行為は
とっても自然の移り変わりを感じることができます。
なんか、こう世界を俯瞰しているような感じだからでしょうか?
もしくは、飛行機が小さくて寒いから
風や温度の影響をもろに受けることが、
自然を肌で感じることに繋がっているのでしょうか?

最近は、アラスカの夕日がもうすぐ見られなくなる、、、
なんて危惧するほど、日が長いです。(夜8時半まで明るい?)

そんなわけでハスキーで
夕暮れ〜夜間飛行をしてきました。

アンカレッジのダウンタウン上空を
低空で飛び、流れる夜景を
ひとり見ながら着陸準備をしていると
「ああ、これでひとまずアラスカ生活も一区切りだな、、」
なんて感傷的になってしまいます。
というかそう言えば、夜間着陸って
久しぶりのような、、
現役時代、夜間ミッションを終えてひとり
帰路につく戦闘機時代の思い出がよみがえりました。

2007年3月12日月曜日

空で出会った友達と編隊飛行




一昨日の話ですが

デナリの近くまで
飛んできました。
そういえば、日本人が好きなデナリの写真がないな、、
と思って晴れた空のなか、きままにデナリの近くまで
超低空でひとっとび。

撮影も無事終わり、その帰り
スシトナ川の凍った大きい川幅の上を地面スレスレで
楽しんでいると、前方に一機の飛行機を発見。
ハスキーと同じような小型飛行機が、景色を楽しむように
飛んでいる。

「仲間だ、、」
独りぼっちで飛んでいるとき
同じく独りぼっちで飛んでいる飛行機を見つけると
どうしても近づきたくなる。

うしろからこっそり近づいて
なに食わぬ顔で挨拶しよう、、と後ろから近づくけれど
全然気付いてくれない。
きっと操縦と景色を見るのに夢中なんだろうな。

一体どんな人が乗っているんだろう、
飛び立ったばかりのヒヨッコか、
それとも空軍をリタイヤして趣味で飛んでいる
老練なおじいちゃんか、、

独りぼっちの飛行機の後方に
ぴったりくっつきながら
相手の想像をするのは、とてもたのしい。

途中、彼が旋回すると
僕が森にぶつかりそうになるので
ちょっとだけ軸線をずらして
後ろ上方にピッタリつける。
編隊飛行をしながら
超低空を飛ぶのは、爽快だ。
地面と相手の飛行機の二つに気を使うのは
軽い緊張感がある。
男の子は、こういうタスクのなかで
充実感とか満足感を得られるって思うよ。

結局、彼は気付いてくれず
でもまあ、なにかの縁だし、、
写真とビデオを撮ってお別れしてきました。

空では、いつも独りぼっち。
でも、たまにはこういう素敵な出会いがある
それは、地上でもおんなじで
いつも探しているんだろうなっておもう。

2007年3月10日土曜日

安住


人の道を歩く

先の見えない安住

逆境


厳しい状況は

結束と愛を

深める

地球の遊び場所


この地球上で

遊べない場所はない

氷河に聞け




私のメインフィールドはアンカレッジの東
チュガッチ山脈の氷河群

その集大成を作りました。
(既にHPで紹介しています)

http://talkeetna.jp/AK_fLT_PICT/snow/snow.html

ちりばめられた氷河と
雪の美しさを御覧下さい。

この写真は、例の(このブログで紹介した)
体感温度マイナス40℃の日記 のときの写真です。


ちなみに日本に一時帰国したら
いままでの作品の発表の場をなんとか設けたいと思ってます。
お楽しみに、、

2007年3月6日火曜日

知らない景色


知らない景色を見たとき
あなたは確実に変わる
それは、、
あなたが変化したければ
知らない景色を
多少の無理を承知で
見に行かなければならない
ということ

好きな木


あの木にとまりたい


木を選ぶのは、わたし


わたしは好きな木にとまる

アラスカの斜光


僕はアラスカの斜光が大好きだ。

極北の斜光が作る
その対象の何倍もある長い影は

この世に存在する人や自然界の生き物たちが
実は見た目よりずっと深い意味を持っていて

立派に存在して生きているということを
教えてくれているように思えるからだ。

氷河の水色


あなたなら

この色に

どんな名前を付けるだろうか

夏の氷河にて


生きるということは、

あの向こうにいくことだとおもう

風船のようなタイヤ




3日間続いた強風がやっとおさまった!

よその人のハンガーに隠れて、じっと耐えていた
極太タイヤのハスキーをやっと動かすことができた。

地上滑走してみる。

タイヤのせいで滑走中の飛行機が
風船みたいに、ばうんばうん、しておもしろい。

車高?が高くなって、なんというか
地上にいるときの角度がより急になったので
(乗った人なら分かるはず)
まったく前が見えなくなった。
でも、なんかスパルタンな
意味のないカッコ良さがあると思う。
生粋のアラスカンも振り向く
無意味なタイヤのでかさと車高の高さ。
これじゃ日本のヤンキー車と一緒だ。

離陸、でかいタイヤの空気が
いい感じのクッションになって、フカッと浮く。
なんか宇宙遊泳のような初めての体験。

空中では、確実にクイックな操作感になった。
よく分からないが、たぶん重心がいい感じになったから
かもしれない。(いつもフィーリングで飛んでます、、)
いままでの、ちびタイヤより遙かに面白くなった。

着陸、接地時ソフトにつければ非常にここちよい。
なんか子供が遊ぶすごいでかいゴムまりで
地面を転がっているみたい。
ちょっとハードにつけてみると、ぼよーんとなって
その浮遊感もおもしろい。

アラスカ ツンドラ タイヤというぐらいなので
ハッキリ言って舗装の滑走路には、まったく不向きです。
理由は詳しく言わないけれど
(タイヤがすぐにすり減る、、など)
これからは、砂利の滑走路や砂浜、ツンドラ、岩地帯、
凍ったところ、などのほうが心地よい
飛行機になってしまいました。

今日の二回目のフライトは
兄弟同然の友人、Rさんと飛んできました。
Rさんは、すごいクールな複葉機を持っているパイロット。
一通り、氷河、プリンスウイリアム湾遊覧などをしたあと
後席に人が乗ったときの着陸練習の実験台として
一緒に、ぼよーんとしてきました。
面白かった!!

2007年3月4日日曜日

ハスキー吹っ飛ぶ、、、




寸前!

今日は、異常に風が強いアンカレッジ。
今日はハスキーをハンガーから出さなければならない日。

やばいなぁ、と思いつつ
飛行場に向かったら
すでにハスキーは、外に出されていて
(ハンガーのオーナーが自分の飛行機を格納したくて
ハスキーは外に追いやられていた)
いまにも吹っ飛びそう。

自分の駐機場に持っていきたかったけれど
風が強すぎてタイダウン(地面とハスキーを結ぶロープで固定する事)
できる自分の駐機場までタクシーすると
ハスキーは確実にひっくり返ってしまうと判断。

結局、近くにいた人たちに助けてもらって
通常では絶対に駐機しないハンガーの裏に置いておくことに。
しかも何かにつないでおかなければ、危ないので
自分のトラックと付近においてあった除雪トラックを借りて
ハスキーにつないでおくことにした。

結局、その後も風は止まず
マイトラックのフォードF150は、夜もそのままハスキーの
おもりとして活躍中、、

本当は、ビッグタイヤのお披露目の日だったのに。

写真は、トラックに守られたビッグタイヤハスキーです。
こんな形でのお披露目となりました。

2007年3月3日土曜日

ベイビータイヤの親




ベイビーにつづいて
やっとそのご両親が到着。
(なぜかピーナッツが付属されていた)

さすがにデカイ!
愛でるまもなく、整備ハンガーへ。

ハスキーのタイヤが
鳥山明のデフォルメ漫画よろしく
ヘヴィデューティ&スパルタンになって
正真正銘のブッシュプレーンになりました。

もちろんベイビーちゃんは、尾輪として
しっかりとハスキーのおしりを支えます。

メカニックのお兄ちゃんいわく
「日本人でアラスカン ブッシュ タイヤを使うのは、あんたが最初じゃないか? しかし無駄にデカイ、、でもクールだな!」

そう外見は、非常に重要なのだ。
(もちろん野外におりるために必要だからだけど、、)

ツルッとして丸いタイヤは、なんだか色っぽい。

ハスキーのデフォルメイラストを使ったステッカーを
そのうち作ります、お楽しみに。

2007年3月2日金曜日

ベイビー ブッシュ タイヤ




ハスキー用の新しい
ブッシュランディング用(不整地着陸用)
タイヤが届く。

でも、届いたのは
なぜか尾輪の小さい(ベイビー)のが一個だけ。

あまりに可愛いので
いろいろと遊んだら
写真のようになってしまった。

これが、ハスキーの尾輪に装着される
「ベイビー ブッシュ タイヤ」
です。