修理をお願いしていた整備士クリスは、
「速度計の調子がまた悪かったら、すぐに降りてきてくれよ、
下で待っているから」
という。
いざ飛んでみる。
加速と同時に速度計の指針は増えてゆく。
どうやら、問題なさそう。
操縦桿を軽く引いて、離陸。
高度、200mぐらいを上昇中。
すると!?
速度計の針が、ゆっくりと減ってゆくでないか・・・
30マイルのところまで速度計の針が減ってしまった。
でもすでに空中。
速度計の指針が、正確であれば
すぐに失速墜落状態。
今回は、GPSを持ってきたので大丈夫だったけれど
速度計が、おかしいと気持ち悪い。
アンカレッジの飛行場は混んでいて、
ほかの飛行機が入り乱れるなか、衝突しないように外を見ながら
墜落するはずの速度指示をちら見しつつ、
管制塔に着陸をリクエストして、GPS速度で着陸。
クリス曰く、「おかしいな、どこも悪くないが・・・」
いろいろと調べた後、再度離陸。
離陸滑走までは、OK。
しかし、、
また、おかしい。
200Mくらいの高度で、急に速度がなくなる。
しかもさっきより、かなりひどい下がり方。
上空で、水平飛行しながら周囲のトラフィック(他の飛行機)を探しつつ、
GPSの速度と不正な指示をする計器板の速度計を見比べる。
相変わらずデタラメな数値。
他の飛行機のケアをしつつ・・困ったものだとひとり思う。
それにしても、ほかに飛んでいる飛行機が多い。
管制官も必死になって、トラフィックをさばいているが
対応し切れてなさそう。
これで、速度計が壊れているから・・・うんぬん、なんて無線で言ったら
まさしくKYなんだろうなぁ、と思いながら着陸順番待ち。
アンカレッジは、天気がよい日には
小型飛行機が飛びまくる環境で
しかも北はAir Force、南はInter National Airport&世界最大の水上飛行場に囲まれた
世にも珍しい小型機〜大型機〜軍用機が入り乱れる場所。
(ちなみに航空写真家にとっては、絶好の撮影場所だそうです)
空自時代にいた千歳空港も、民間機と軍用機が入り乱れて
管制官すらパニックになるような状況もあったので、まあ
慣れているものの、アンカレッジは素人パイロットさんがとても多いので
空中衝突から自分の身を守るには、自分の目で全周を警戒しなきゃいけないんです。
(ちょっと専門的な話になりますが、IFR(計器飛行方式)とVFR(有視界飛行方式)では、
VFRの方が遙かに自分で考えること、やることが多くなります)
その後、無事着陸。
整備士のクリスと、再度故障探求。
速度計の別の系統に空気圧をかけると、
水が、ぶわっと飛び出して二人とも
顔を見合わせつつ、
「なんだ、これだったんだ!」
と大笑い。
ちと、専門的な話が多くなりましたが
ハスキーは、無事修理完了。
その後、再チェックのためフライトし
緑淡い草原の上を飛んできました。

ぽつんと廃屋
アラスカって、本当にきれい。
この淡い緑のせいで、
自分の道が決まってしまったのだなと思うと
飛行中に、ちょっと感慨深くなってしまうのでした。
2 件のコメント:
この淡いみどり によって
道は作られていったのですね。
その 淡い緑 を見に行きたいです
行きたいで終わらせず、みにいきます
pointhopeさん
ぜひアラスカの自然を見に来て下さい。
きっと何かが変わると思います。
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