2009年9月24日木曜日

ユピックエスキモー村滞在記(2)


給食を頂いた後は、
エスキモーの言葉である

 YUP'IK (ユピック語)

の授業に参加しました。

先生は、アントンさん。

授業前、エスキモーのアントンさんに
ナイトミュート村のユピック語についていろいろとインタビューしました。

すると意外なことが・・

1.ユピック語は、まだ英語と同じぐらい家庭で使われている。
2.学校ではユピック語をしっかりと教えている。
3.実際、アントンさん(まだ30才ぐらい)はユピック語で電話していた。

村でも、ほとんど話されていないのかと思っていたので、
(実際に子供達に聞いてみて「知らない」という回答が多かった)
びっくりの事実でした、場所によるそうです。

さて実際に授業を受けてみました。

今日は、数の数え方です。

1 atauciq(アタウチャック)
2 malruk(マロゴック)
3 pingayun(ピンガンュン)
4 cetaman(セタマン)
5 talliman(タヒーマン)
6 arvinlegen(アビーラガン)
7 malrunlegen(マルゴゥナルガン)
8 pingayunlegen(ピンガンュンナルガン)
9 qulngunritaraan(読めず、、忘れた)
10 qula(コラ)
11 qula, atauciq(コラ アタウチャック)


20 yuinaq(ユイナック)

30 yuinaq qula(ユイナック コラ)

40 yuinaak malruk(ユイナーク マロゴック)


100 yuinaat talliman(ユイナート タヒーマン)



1000 tiissitsaaq(テシィーサック)


まず1〜5までは、比較的簡単なんですが
6〜9は、めちゃくちゃ読み方が難しく
しかも9はスペルが長すぎ。

10以降は、法則性に従っているように見えます。
が覚えるとなると、これは大変なことになりそうです。

子供達は、俺のことが珍しいのかユピックの練習はほどほどに

「日本語で私(子供)の名前を書いてよ」

とせがむので

Imen George (アイメン ジョージくん)

の名前を漢字で

愛面 情事 くん

と書いてあげたらとても喜んでくれて
俺は複雑な心境でした。

あと習ったもので興味深かったのは、

単語として

「彼らの最初」、「彼らの2回目」、「彼らの3回目」、、

などの言葉が「ひとつの単語」として存在するという点です。

今回持ってきたエスキモーに関する本(エスキモー極北の文化史 宮岡伯人)にも、
たとえば熊を指し示す言葉としての代名詞は、

近づいてきている熊
遠ざかる熊
横切っている熊

などの言葉が、ひとつの単語で表現できるらしく、
狩猟に関しては、非常に使いやすい言語であるらしいのです。
(この本によればバイリンガル(英語とユピック語)の人が狩猟をする場合は、圧倒的にユピック語を使うそうです)


「言葉こそ、我々の存在そのものである」

と誰かが言っていたような・・・


文化人類学を学びたくなってきたような、そんな
天候回復待ちのエスキモー村体験でした。

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