2007年2月26日月曜日
凍りつく氷河の風
右手の人差し指が凍りつく
超低空100ft(約30m)を
崩れた氷河をなめるように飛ぶ。
ハスキーはこの極寒の中でも
快調にエンジンを回している
撮影のために窓を開け
風をまともに喰らう機内は
体感温度マイナス40℃以下、、だ。
右手にニコン
左手に操縦桿。
両手が交差するような形で超低空の空撮
操縦桿は本来、右手で操るもの。
ニコンと指が機外に露出し
風によって一気に冷やされる。
指の血液は、一瞬にして温度を下げ
体中を循環し心臓に達する。
体温が急激に下がり、同時に心臓に違和感を感じる。
指というラジエーターで冷やされた血液が心臓に達したのだ。
もちろん指の感覚は、ほとんどない。
それを尻目に氷河の境界は
厳冬期の太陽にギラギラ照り返し
いままで誰も見たこともない風景の流れで
私たちが飛んでいる空中を含めて
平然と周辺世界を支配し続けている。
我々の祖先は大自然と壮絶に戦ってきたのだろう。
その闘いは、自分たちが自然に殺されないためであり
なりふり構わず生きてゆく必要があったとおもう。
大自然と直接戦うことが出来なくなった世代、、
大自然に殺される心配のない人たちは
安易にそれらと親しくなろうとする。
「親しさ」は曖昧さを生む。
「緊張感」は真の理解を生む。
本当の対峙は、死への恐怖から始まる。
写真上、下:Lake Georgeに落ちる氷河
写真中央:Eagle glacierの基部
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