しかしここで多少の問題があった。
ダニエルは、体重100kgを超すであろう巨漢、
まずハスキーの後席に乗るのが大変、かつ飛行に関しては
大変な重量オーバーが予想されたので、ダニエルを後席に乗せて飛ばすには
自分の荷物をほとんど降ろさなければならなかった。
いままでの旅で使っていた荷物も相当ある。
折りたたみ自転車、テント、靴、カメラ、食料・・・
それらを何もない雪のツンドラに放置するのは、かなり忍びなかったが
ダニエルをニコライへ連れて帰るには仕方がない。
結局、ダニエルをニコライへ連れて帰った後、
再度すぐに、西麓へ自分の荷物を取りに帰った。
明日になれば、悪天で戻れないかもしれないからだ。
荷物回収着陸時、すでにデナリの山麓は真っ暗、
半ば夜間ブッシュランディングである。
天気の関係で明日自分の荷物があるか分からない状況、
なんとしても着陸して回収しなければ・・・という思いで一杯だった。
真っ暗なライトもない中でのブッシュランディング。
着陸操作中は緊張よりも、
自分の無謀さを黙認しなければ・・・と言う気持ちが勝った。
ひとつの救いは、雪で周囲が若干見やすかったと言うことだ。

(この写真も、焦る気持ちの中でようやく撮影したものであった)
独りニコライへ戻ったときは、すでに真っ暗であった。

着陸時、一斉に集まってきてくれたニコライの住人達。

「よくこんな時間に降りてきたな!」
そう言ったダニエルが、「うちに泊まれ」と言ってくれたので
遠慮なくお世話になることに。
10日間の長旅にとんでもない着陸の緊張で、
疲れ切った体には嬉しい親切であった。
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