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2010年4月28日水曜日

フェアバンクス到着!

無事、4/24日にハスキーのいるフェアバンクスに到着しました。
フェアバンクスは、驚くべきことに出発時の北海道より暖かく
雪は全くない状態で、気温も日中は18℃ぐらいありました。
さっき、外に出たらすでに蚊が出現していて、びっくりです。

それから三日間、ひどいJet lag(時差ぼけ)で昼夜が逆転し、
つらい毎日ですが、飛行準備は着々と進めています。



今年のプロジェクト進行状況です


1.飛行機ハスキーの状態はよく、明日整備を終わらせ、明後日テスト飛行をします。
プロペラが古い状態だったので、昨年、オーバーホールをしました。
新品同様の美しさで、嬉しい限りです。


2.今年の目標であるカリブーの空撮について、地元の野生動物調査機関に通って
調べています。調査の結果まだカリブーの群れ本体は、ブルックス山脈を完全に越えていないようで
撮影には適さないと判断(山岳地の撮影はNG)、ノーススロープと呼ばれるツンドラ平原地帯に
出たところで狙おうと考えています。




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2009年10月30日金曜日

2009 8.3 Fairbanks→Galena(3)




フェアバンクスからガレナまでは、約3時間。
1時間かけてなんとかユーコン川上空8000ftまで
這いだしてきたのだが、

これが、いかんともしがたい
雲上飛行、いや煙上飛行。
地上が見えない。

しかし、
アラスカを分断してひたすら西へ延びるユーコン川を進めば
この森林火災が原因の煙も、消えてなくなるだろうという読みは
当たっていて、ユーコン川沿いのルビーという村付近では、
(ガレナから数十マイルの場所)では、
すでに地上が視認できるようになっていた。

ちょっとした冷や汗をぬぐいながら急下降する。

「よかった・・何とかなりそうだ」

地球環境をテーマにした吉川教授のデータを
まずは取りにいけそうだ、という
安堵感が体を急に汗から遠ざけてくれる。

それにしても大自然の現象に、
俺はいつも振り回されてばかりだ、世間は
人類が自然を壊すことを心配しているが、
俺にとっては、自然は本当に怖いものだという
畏怖の念でいつも一杯である。

ユーコン川上空を降下する
まだ、煙の名残はかなり残っているうえに、
川ののっぺりした地形が、またしても上下感覚を奪い、
まったく飛びにくい。
仕方なく螺旋(らせん)降下をあきらめ、楕円降下に変更。
これだと直線距離が増えて、感覚の立て直しが可能になる。
連続した心身への負担は、飛行の大敵である。
できるだけ楽をするべき所は、抜く。
これは厳しい環境下で生き延びる秘訣だと思う。

ユーコン川直上、1000ft。
ガレナの村に近づくと
この村の規模には不釣り合いな巨大滑走路が見えてくる。
冷戦時代の名残と思われる軍事基地なみのアスファルト滑走路は
ユーコンとの不釣り合いさを伴って
村の中央に居座っている。



しかしこんな景色を見る自分とは裏腹の、
ひとまず森林火災の煙から無事脱出して
給油が出来る・・という安心感はよいものだ。
非常に苦しい状況を耐え抜いた後の安堵感は、
知る人ぞ知る究極の幸福感でもある。

よし、これでベーリング海までは進める。
海を見るのが楽しみになってきた。

2009年10月28日水曜日

2009 8.3 Fairbanks→Galena(2)

雲上飛行

戻るか、雲上に出るか。

通常、森林火災の煙はある程度の高度までしか届かない。
だからその上まで上昇してやれば何とかなるものだ。

濁ったユーコン川上空から煙の隙間を探す。
煙か雲か分からない隙間から
少しだけ青い空を垣間見ることができた。

エンジン出力をあげて、上昇開始。
雲の隙間をめざす。

周囲の索敵、レーダーサイト周波数のモニター
速度、姿勢の保持・・・前方の天候確認。
やるべきことをやりながら判断材料を探す、
これがパイロットの仕事だ。

高度8000ftでやっと煙の上にはい上がる。



眼下の地上は、何も見えない。西向かいである前方に
煙の切れ間が出てくるのを祈るしかない。

最初の目的地、Galena(ガレナ)まであと2時間・・・

2009年10月27日火曜日

2009 8.3 Fairbanks→Galena(1)

2009年8月上旬
アラスカの北部中心都市フェアバンクスから西へ
北米大陸最西端のwales(ウエールズ)を目指す。



2009 8.3
Fairbanks→Galena


離陸時の天候、フェアバンクスは視程悪く
コマーシャルの定期便ですら着陸を見合わせる状況。
安全上、飛行は中止にしたいところだが、
この悪視程は、フェアバンクス周辺の山火事が原因であり
長期にわたって回復の兆しはない。
ただし、西へユーコン川を這って進めば、
次第に山火事の煙からは遠ざかることが出来るし、
川の上には障害物がないから自分の姿勢さえ
把握して飛べれば何とかなる。

飛行以外のことにも言えるのだろうが、
何かのミッションであることと、
単なる趣味であることの違いがここにある。

今回は、アラスカの村を回ること、プラス
永久凍土の温度分布を測定している装置の回収という
アカデミックな作業が課せられていた。
これは、アラスカ大学で永久凍土の研究をしている
吉川教授との共同ミッションである。

なにかをやろうとしたとき、
理由を付けて「できません」というのは簡単だ。
飛び出すのに不都合な理由を押しのけられるような「何か・・」
趣味ではなく人生の一部を捧げられるようなミッションを
個人が持ち得るかどうか。


フェアバンクスの西、小さなプライベート飛行場から
スペシャルVFRクリアランスをリクエストして、
ユーコン川へ出る。


ユーコンの南、ネナナ地区の燃え方がひどい。
煙は大地を覆い、風向きによってどの場所でも
視程はゼロになってしまう可能性がある。

ひとまずは、高度2000ftでも飛行可能であったハスキーであったが、
次第に高度300ftまで下がらなくては、
飛行に十分な視程が確保できなくなってくる・・・
旋回すると、確実にバーディゴに入る。
こんな状況は戦闘機時代以来、初めてだ。

戦闘機では、バーディゴというのは普通な感覚だ。
上半身をむき出しのコックピットだからちょっとした雲に入っても
姿勢が分からなくなることが多々ある。
だから実に懐かしい感覚、むしろ嬉しいような気もしたが・・

姿勢指示器で自分の姿勢を確認する、
外の風景では姿勢が確認できない。
このままではいくら障害物のない川の上でもあぶない。

頭の中での選択肢・・・戻るか、上昇するか。
思考の瞬間もハスキーは進み続ける。