2009年9月30日水曜日
プラチナという村
飛行旅、8日目。
夜が明けきった9時頃、Tuntutuliakの学校を出て飛行場へ向かう。
村に張り巡らされているwalkboard(木道)には霜が降りている。
北風は依然としてどこでも強く、
アラスカ南西部は、大気の動きに海と陸の境目がない。
地形が完全にフラットなアラスカ南西ツンドラ地帯にとって
ベーリング海は常に一対のものであるのだ、ということがすぐわかる。
Bethelに降りて、燃料補給。
アラスカの僻地では、燃料を補給できる場所が極端に少なく
飛行における給油マネージメントが生死を分ける場合もある、
しかも値段はとてつもなく高い。
旅後半いろんな状況が厳しい中、村を転々と回る。
Eek→Quinhagak
Eekでは、高校の先生にお願いされて授業に参加。
今回の旅の目的のひとつである永久凍土に関する軽い授業だ。
授業を受けている高校生は、日本で言えば中学生ぐらいに見える、
そのうちのひとりに妊娠しているお腹の大きい女子生徒がいた。
アラスカ、ネイティブ村は子供の数がとても多い。
Quinhagakでは、着陸と同時に「Landing Fee」を請求される、$15ドル。
代金を払い終わると代金請求係の女性は、
誰もいない飛行場に独り佇んで次の飛行機が来るのをじっと待っている。
これも仕事なのか、
でも飛行機なんてせいぜい、1日に2〜3回しか来ないはずなのに。
Goodnews→Platinum
Goodnews
名前のおもしろさとは裏腹に、とんでもなく着陸のしにくい飛行場、
その原因は、飛行場の北側にある山だ。
北風の強風時には飛行場を乱気流の渦にしてしまうこの地形、
横風に弱い飛行機である尾輪式のハスキーに10〜20ktで変化する横風が襲ってくる、
着陸直前に急激に上下する飛行機を地面に付けるために
スロットル、ラダー、操縦桿すべてを駆使して、なんとか接地させる。
とんでもない動きをして着陸する飛行機は、傍目から見ると下手くそに見えるかもしれない、でも生きていればいいのだ。
Platinum
プラチナという名の村。砂嘴に村のほとんどがある。
隣接する山の麓にプラチナ鉱山があるらしく露天掘りの風景が上空からわかる、
ノームやフェアバンクスの金鉱山を思い出して、
この国の豊富な地下資源を想像する、
そしてそれを必要として生きる人間たちも。
土地は国そのものであり、我々は本当に地球から
いろんなものを採って生きているのだと思う。
Platinumを離陸して、
いよいよ旅は最終パートである。
写真:プラチナ鉱山
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