霧のため飛べず
それにしてもカビックは季節外れの雪が多すぎで、
いろいろな作業をしなくてはいけない。
一人のスーザンを助けるため、ジェネレーター用の燃料カンを運ぶ手伝いをする。
雪が多くて動力が使えず、40キロの燃料を歩いて運ばねばならないので
かなり重労働。
それにしても霧がとれない。
地上付近を視程ゼロの雲が漂って、
とてもではないが飛ぶ気になれない。
ひたすら待つしかない。
5月25日
朝、しつこかった霧がやっと晴れ上がり、飛ぶのに問題なくなった。
滑走路は、いまだクラストした雪で、でこぼこだが、
それでもだいぶましになり、バウンドしながら離陸した。
午前、ひとまずカビックから数十マイル東にあるレッドヒルといわれる
東西に延びた丘陵地帯に行ってみる。赤茶けた丘が印象的だ。
温泉があると聞いたが、見つからず。
そこから、非常に狭い谷を北方向に抜けて、川を下り北極海を目指す。
どこが海岸線で、どこからが海なのか分からない北極海は、
3年前のバロー以来2度目であり白色の氷塊が、まさしく極地の証だ。
北極海沿岸に浮かぶフラックスマン島へ。同島はポリゴンの島で、
建築物が1つ霧の中から見つかるが、周囲は海氷に浮かび、
島という感じではない。
カニング川河口から、陸地へカビックに戻る。
途中、川のある特定の場所だけに
とても青く他の部分よりも固く凍っている場所が2カ所ある。
大きさは数百メートル、不思議だ。
結局、カリブーはごく少数しか見つからず。
この時期に季節外れの雪が大量に残っているのが、
カリブーが群れを作らない原因であるそうだ。
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